column
コラム
column
コラム
未登記の建物はどう相続する?遺産分割協議書の書き方と登記を後日に回す方法【司法書士が解説】
【本記事の記載内容や情報の信頼性については可能な限り十分注意をしておりますが、その完全性、正確性、妥当性及び公正性について保証するものではありません。個別の事案については専門家にご相談ください。】
親御様の相続手続きを進めていたら
「この建物、登記されていませんよ」と言われて驚いた……
固定資産税の課税明細を見たら
家屋番号のない建物が載っていた……
実は、このようなご相談は珍しくありません。
弊所ではこれまで、33件の未登記家屋に関するご相談に対応してきました。
(相続登記のご依頼を進める中で、調査の結果はじめて「未登記」と判明するケースが最も多いです。)
先に結論から申し上げます。
- 建物が未登記でも、相続はできます(所有権は相続人に承継されます)
- 遺産分割協議書に未登記家屋を記載することで、誰が引き継ぐかを決められます
- 建物の登記(表題登記)は、後日に回す実務対応が可能です
- 解体予定の建物であれば、登記をしないまま解体し、届出で済ませられる場合もあります
弊所では、未登記家屋を含む相続登記も
基本パック88,000円(税込・割引キャンペーン適用時)の範囲内でご対応しています。
順番にご説明します。
1.未登記の建物とは(なぜ登記されていないのか)
建物は、新築したときに「表題登記」という登記をすることで
はじめて登記記録(登記簿)が作られます。
住宅ローンを利用して建てた場合は
銀行が抵当権を設定するため、必ず登記がされています。
一方で
自己所有の土地に、住宅ローンを使わずに建物を建てた場合
登記をしないまま今日まで来ている……ということは、実はよくあります。
古い母屋、離れ、納屋、増築部分などは
未登記のままであることが本当に多いです。
(登記されていなくても、市町村は課税のために建物を把握しているので、固定資産税はしっかり課税されています……)
未登記かどうかの確認方法
- 固定資産税の課税明細書を見る(「未登記」と記載されていたり、家屋番号が空欄になっていたりします)
- 市町村で名寄帳を取得する
- 法務局で登記の有無を調査する
弊所に相続登記をご依頼いただいた場合は
名寄帳の代理取得と登記記録の調査を行いますので
未登記の建物があれば、この段階で判明します。
2.法律上のルールはどうなっているのか
未登記建物の所有者が亡くなった場合でも
建物の所有権は、法律上、当然に相続人へ承継されます。
登記がないから相続できない、ということはありません。
その上で、法律上のルールとしては
表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その取得の日から1か月以内に表題登記を申請しなければならない
と定められています(不動産登記法47条1項)。
この申請を怠ったときは
10万円以下の過料に処するとの規定もあります(同法164条1項)。
相続登記の義務化(2027年3月31日期限)との関係
令和6年4月から始まった相続登記の義務化は
「所有権の登記名義人」に相続が発生した場合のルールです(不動産登記法76条の2)。
未登記の建物には、そもそも所有権の登記名義人が存在しないため
「相続登記」の義務化の対象ではありません。
(そもそも登記記録がないので、相続登記をすること自体ができません。)
ただし、上記のとおり表題登記の申請義務の規定は別に存在します。
未登記のままでも直ちに困らないケースは多いのですが
「法律上は登記すべきもの」であることは、押さえておいていただきたいポイントです。
3.遺産分割協議書への書き方(ここが実務の核心です)
未登記の建物は、相続登記ができない代わりに
遺産分割協議書に記載することで、誰が承継するかを明確にできます。
記載の際は、固定資産税の課税明細書や名寄帳の情報をもとに
所在・種類・構造・床面積などで建物を特定して記載します。
さらに弊所では、把握できていない未登記建物や増築部分に備えて
次のような条項を遺産分割協議書に入れています。
上記不動産に附随する非課税不動産、未登記附属建物、未登記増築部分等が存する場合、その一切の権利。
この一文があることで
後から未登記の離れや増築部分が見つかった場合でも
協議をやり直すことなく、承継者が明確になります。
逆に、未登記家屋の存在に気付かないまま
土地と登記済みの建物だけで遺産分割協議書を作ってしまうと……
後日、未登記建物について改めて相続人全員の協議が必要になります。
そのとき、相続人のどなたかが亡くなっていたら(数次相続)
協議に参加する人数はさらに増えます。
疎遠になった相続人の方々と
もう一度ハンコのやり取りをすることになったら、スムーズに進められるでしょうか。
未登記家屋の拾い漏れを防ぐことは
専門家が関与する大きな意味のひとつだと考えています。
4.建物の登記(表題登記)は後日に回せる
「では、すぐに表題登記をしないといけないのか」というと
実務上は、次のような整理でご案内しています。
(1)当面そのまま使う場合
遺産分割協議書で承継者を明確にした上で
表題登記は後日に回す、という対応が可能です。
固定資産税については
市町村に未登記家屋の所有者変更の届出(名称は自治体により異なります)をすることで
新しい所有者に納税通知が届くようになります。
(2)売却や担保設定の予定がある場合
登記が何もない建物を
「私のものです」と言葉だけで説明されて
買主の方は安心して購入できるでしょうか。
建物を売却したり、担保に入れたりするには
表題登記と所有権保存登記が必要になります。
表題登記は、現地調査のできる「土地家屋調査士」の業務です。
(司法書士は建物の現地調査・図面作成ができません。)
弊所では、提携の土地家屋調査士のご紹介が可能ですので
売却予定がある場合もワンストップでお手続きを進められます。
(3)解体予定の場合
近く取り壊す予定の建物であれば
費用をかけて表題登記をする実益は乏しいことが多いです。
登記をしないまま解体し
解体後に市町村へ家屋の滅失の届出を行うことで
課税も終了します。
(登記済みの建物を解体した場合は、土地家屋調査士による滅失登記または滅失の申出が必要です。)
どの選択肢が良いかはご状況次第ですので
建物の今後のご予定を伺った上でご案内しています。
5.実際にあったご相談例
弊所で実際にご対応した事例をご紹介します。
(個人が特定されないよう内容を一部加工しています。)
事例1:相続登記の調査で、自宅建物が未登記と判明
土地と建物の相続登記のご依頼を受けて登記記録を調査したところ
建物が未登記であることが判明しました。
ご依頼者様に状況をご報告の上
遺産分割協議書に未登記家屋を記載し
土地の相続登記と併せて解決しました。
建物は当面そのままお使いになるとのことで
表題登記は行わず、市町村への届出のみご案内しています。
事例2:未登記の家屋が2棟。協議書に記載してまとめて承継
課税明細に未登記の家屋が2棟ある事案でした。
遺産分割協議書に2棟とも記載し
土地・登記済み建物・未登記家屋のすべてを
お一人の相続人が承継する内容で作成しました。
事例3:古い納屋は解体予定のため、登記せず滅失の届出で対応
未登記の納屋について、近く解体予定とのご相談でした。
表題登記は行わず、解体後に市役所へ滅失の届出を行う方針でご案内し
登記費用をかけずに解決しています。
6.未登記家屋の相続QA
Q1:未登記の建物も、相続登記義務化(2027年3月31日期限)の対象ですか?
相続登記の義務は、登記されている不動産が対象です。
未登記建物は対象ではありませんが、表題登記の申請義務(1か月以内・不動産登記法47条1項)の規定が別にあります。
Q2:未登記かどうか、自分で確認できますか?
固定資産税の課税明細書をご確認ください。
「未登記」との記載や、家屋番号の記載がない建物は未登記の可能性が高いです。
弊所にご依頼いただければ、名寄帳の取得と登記調査で正確に確認します。
Q3:未登記のまま放置するとどうなりますか?
直ちに罰則が科されるケースは多くありませんが、10万円以下の過料の規定があります。
それ以上に実務で問題になるのは、売却できない・担保に入れられない・次の相続で建物の来歴の証明が難しくなる、という点です。
相続人が10人、20人に増えてから、全員の協力を得てお手続きができるでしょうか。
放置の期間が長くなるほど、費用も手間も大きくなっていきます。
Q4:固定資産税の請求先は変えられますか?
市町村に未登記家屋の所有者変更の届出をすることで、新しい所有者宛に納税通知が届くようになります。
(この届出は登記の代わりになるものではありません。)
Q5:未登記の建物を売却したいのですが。
買主への所有権移転登記の前提として、表題登記と所有権保存登記が必要です。
表題登記は土地家屋調査士の業務ですので、弊所から提携の土地家屋調査士をご紹介し、売却まで一連のお手続きをサポートできます。
7.未登記家屋を含む相続のご相談は弊所へ
未登記家屋があっても
弊所の相続登記は基本パック88,000円(税込・割引キャンペーン適用時)の範囲内でご対応しています。
- 名寄帳の代理取得による未登記家屋の調査
- 遺産分割協議書への未登記家屋の記載(包括条項付き)
- 市町村への所有者変更届のご案内
- 表題登記が必要な場合の土地家屋調査士のご紹介
まで、まとめてお任せいただけます。
来店不要、LINE・メール・お問い合わせフォームで全国対応しております。
「うちの実家、もしかして未登記かも」という段階のご質問も
どうぞお気軽にお尋ねください。
【月20名様まで限定キャンペーン】
平均的な相続登記に必要なものはコミコミでこの価格
博多エキナカ司法書士事務所
代表司法書士 山野雄太郎(福岡県司法書士会 第2070号)
お問合せ
サービス内容やお手続きの流れについてご質問がございましたら、
LINEでお問合わせ