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コラム
任意整理の「減額報酬」には要注意(大手なのにルール違反の高額報酬かも)
任意整理の「減額報酬」の計算方法は大きく分けて3つあります。
その3つの中には、日弁連や日司連の定めた報酬ルールに違反しているものもあるので、注意が必要です。
特に、
将来利息カット分も「減額報酬」を請求するのは、明確な業界ルール違反
なので
そういった弁護士事務所や司法書士事務所には注意してください。
(よくある)一番シンプルな「減額報酬」の説明
「借金を減額させた金額に対して10%程度の報酬を請求するもの」
これがよくある、一番シンプルな減額報酬の説明です。
(多くの任意整理の料金表にはこういったシンプルな書き方がされています。)
なぜ、10%”程度”なのかというと、多くの弁護士、司法書士は10%ですが、異なるパーセント(5%など)の事務所も稀にあるようです。業界ルールの上限は10%(税込11%)です。
シンプルな書き方には要注意
さて、上記の説明を聞いて(ホームページを見て)
『なるほど、分かった!』と思った方は要注意です。
そのまま目についた弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると
すごく損をすることになるかもしれません。
減額報酬の計算方法について
依頼者が一番知っておくべきことは
事務所のホームページを見てもまず理解できないように書いてある
ということです。
利息制限法で借金を再計算して減った金額……は正しい?
減額報酬について調べると一見正しいように見える説明があります。
例えば以下の説明
「利息制限法で借金を再計算して減った金額(当初の金額と計算後の金額の差額)に対する成功報酬」
こんな風に書いてあれば、普通に考えて正しい説明に思えますね。
でも実は、あなたが依頼する弁護士や司法書士によっては
↑と同じ意味で減額報酬と書いてない場合があります。
(もっと事務所が儲かる(依頼者が損をする)計算方法になっている可能性があるということ。)
同じ「減額報酬」でも意味が違う
同じ「減額報酬」でも、弁護士や司法書士によっては意味(料金計算の方法)が違う。
なぜ、同じ「減額報酬」という言葉で、違う料金になる可能性があるのか――
それは、借金の”どの部分”が減ったら報酬を請求するか、弁護士や司法書士ごとに異なる基準を決めているからです。(正確にいうと、業界のルールはありますが、守っていない事務所が多いのです。)
借金のどの部分?
借金は借金だろうと思われるかもしれませんが
厳密にいうと、借金とは元金、利息、遅滞損害金、将来利息と分けることができます。
これら借金の項目のうち、どれが手続きで減らせた時に報酬を請求するのか
- 元金が減れば請求するのか?
- 利息や遅滞損害金が減れば請求するのか?
- 将来の利息がカットできれば請求するのか?
実体として、元金が減らない限り減額報酬を請求しない事務所もあれば、将来の利息のカット分も減額報酬を請求する事務所もあります。
元金減少分だけ減額報酬をとる事務所もあれば
将来の利息カット分も減額報酬をとる事務所がある
減額報酬の計算方法はホームページでは分かりづらい!
借金のどの部分が減れば報酬を請求するのかは、事務所によって異なります。
また、ホームページの料金表には詳しく書いていないことが多いです。
減額報酬の記載例(ある事務所のホームページ料金表から抜粋)
債務を減額または免除することができた場合
減額報酬
減額または免除できた金額の11%(税込)
このようなシンプルな記載の事務所がほとんどなので、減額報酬の計算方法については、初回問い合わせの際にでも確認した方が安心です。
(特に将来利息カット分の減額報酬を請求しない事務所であることを忘れずに確認しましょう。)
将来の利息カット分は業界ルール違反!
特に気をつけていただきたいのは、本来、業界ルールにより請求してはいけない。将来利息利息カット分の減額報酬を請求する弁護士や司法書士も決して少なくないということです。
この記事は、任意整理の料金表の中に
よく書いてある「減額報酬」について
- 「減額報酬」10%ってどう計算するの?
- これがあるのは損な事務所?
- あってもお得な事務所は一切ないの?
といった疑問にお答えするための記事です。
ひとくちに「減額報酬」といっても
その意味は、大きくわけて3種類あります。
(本当は一つなのですが)
ご自分が見ている料金表や、依頼しようとしている弁護士(司法書士)事務所が
3つのうち、どの意味で「減額報酬」と言っているのか、
それによって依頼料は全く変わってくるので
くれぐれも注意してください。
減額報酬の3つの意味
- 「減額報酬」=「減らした元本額の10%」
- 「減額報酬」=「減らした借金額の10%」
- 「減額報酬」=「将来利息カットの10%」
※「減額報酬」が意味するところは、事務所によって異なります。
減額報酬の意味(1つ目)(一番お得)
依頼者にとって一番お得な「減額報酬」の意味は
任意整理手続きで「減らした元本額」です。
料金表の記載としては「減らした元本額の10%(税別)を上限額とする」といった書き方になります。
「減額報酬」=「減らした元本額」
(これは、「日本弁護士連合会」及び「日本司法書士連合会」の定めた、減額報酬計算のルールですが、破っても罰則がないので、違反する事務所があります。)
減らした元本額とは
任意整理の手続着手時に借金の元本が200万円残っていて、返済条件の合計額が180万円になったら(3万円の60回払いなど))、200-180で減った元本は20万円(その10%だから2万円の報酬)といった計算をします。
しかし、上のケースで、返済する合計額が180万円になることはまずありません。
なぜなら、任意整理とは、将来の利息をカットして分割払いをする手続きになることがほとんどで、元本は全額返済することになるからです。(正確にいうと、過払い金が発生していれば元本まで減ることもあり得ますが、過払い金が発生する相談の割合は、100件相談があって1件もないぐらい低い確率です。)
結論、一番正確な減額報酬の計算では、過払い金がないと、減額報酬はありません。
任意整理には,借金額(元本)を減らした分に対する「減額報酬」があります。日本弁護士連合会の規定,日本司法書士連合会の指針でも,減らした元本額の10%(税別)を上限としています。https://www.yageta-law.jp/site_debt/topic/T020.html
私の知る限り、もっとも正確な任意整理の減額報酬の説明は↓
依頼する予定の事務所の説明と比べて見てください。
※「減額金額」とは着手時点で残っている債務の元本額と最終的に支払うことになった額との差額です。滞納中で利息・遅延金が膨らんでいる場合でも減額金額の算定は着手時点の元本額と比較します。利息・損害金の免除を受けても元本が減らない限り減額報酬は発生しません。 https://www.yageta-law.jp/site_debt/fee.html
減額報酬の意味(2つ目)(ネットの説明はこれ)
減額報酬の2つ目の意味は、「減らした借金額の10%」です。
ネットの説明はだいたいコレです。
1つ目は「減らした元本額」なので元本が減らない限り発生しませんでした。
それに比べて「減らした借金額」で計算すると、利息や損害金の免除を受けて、着手時の借金(元金+利息+損害金)の総額が減れば、元本が全く減らなくても減額報酬が発生します。
つまり、余計に費用がかかり、あまりお得ではありません。
「減額報酬」=「減らした借金額」なら元本が減らなくても発生
以下、ネットの説明文を引用します。
- 借金が減った金額の10%分
- 利息制限法で借金を再計算して減った金額
- 約定の借金を利息制限法による引き直し計算をした結果、減額できた額
などなど、事務所によって書き方がずいぶんと違うように見えますが
全て同じ計算方法を意味しています。
減額報酬とは、借金を減額させた金額に対して10%程度(事務所ごとに異なる)の報酬をとることを指します。 簡単に言うと、「借金が減った金額の10%分の報酬がかかる」ということです。 つまり減額報酬を採用している事務所とそうでない事務所で、債務整理に必要な費用が大きく異なるということです。引用元:福岡中央司法書士事務所
債務整理の手続きにおける減額報酬とは、利息制限法で借金を再計算して減った金額(当初の金額と計算後の金額の差額)に対する成功報酬です。
たとえば依頼前に100万円あった債務が、依頼して60万円に減りました。100万円ー60万円=40万円(減った金額)減った金額の10%の4万円が減額報酬で加算されるということになります。引用元:司法書士法人黒川事務所
当事務所では、任意整理手続の場合、着手金のほか、減額成功報酬がかかります。減額成功報酬とは、「約定の借金を利息制限法による引き直し計算をした結果、減額できた額の5%+消費税等」を指します。 たとえば、約定の借金が100万円あり、当事務所に依頼し、任意整理をした結果、借金額が30万円になった場合、借金を70万円減額できたことになるため、かかる減額成功報酬は「70万円×5.25%」で「36,750円」となります。」引用元:法律事務所ホームワン
減額報酬の意味(3つ目)(ルール違反)
減額報酬の3つ目の意味は、「将来利息免除(カット)分の10%」です。
これは一部の弁護士(司法書士)事務所の主張する減額報酬の計算方法で、まともな弁護士、司法書士であれば、絶対に採用しない計算方法なので、くれぐれも注意してください。
報酬ルール違反
「減額報酬」の請求には業界のルールがあり、引き直し計算により算出された金額から、さらに減額された金額のみ減額報酬として請求することができます。
(つまり、業界ルールでは、引き直し計算で減った分の金額は減額報酬として請求できず、そこから更に交渉で減らすことができたらその分は減額請求をできる。)
第6条「減額報酬の上限」
減額報酬を請求し、又は受領するときは、減額され、又は免れた債務の金額を経済的利益として、その経済的利益に10パーセントの割合を乗じた金額を超える金額を減額報酬として請求し、又は受領してはならない。
2 引き直し計算により算出された金額を債権者が認めた場合(その金額を債権者が積 極的に争わない場合を含む。)は、その算出された金額から減額され、又は免れた債務の金額を経済的利益として前項を適用する。
ホームページの料金表に書いていなければ、最初の電話相談の際に、将来利息カット分を減額報酬として請求されますか?と必ず質問してください。
ネットでも違反する事務所があることが問題に……
ところが,最近は,「借金」の意味を,「借金額(元本)と完済までの利息の総額」と捉えて,借金額(元本)自体が減っていなくても,将来利息を免除してもらい支払総額が減れば「借金を減額した」として報酬が発生する費用設定が増えています。実質的に,支払総額の減額部分についての「減額報酬」になります。引用元:八下田法律事務所
将来利息免除(カット)とは
任意整理をするとほとんどのケースにおいて将来の利息が免除されます。
将来の利息とは、任意整理手続き完了後の返済開始以降の利息のことです。
例:2022年の1月に相談と着手、同年5月に和解締結、同年6月30日が第1回支払なら、6月以降の金利を免除(カット)。
何も知らないと、将来利息のカットができるのはとてもお得に感じるので、その分の報酬を支払うことに抵抗を感じない人も多いです。
でも実際のところは、大多数の任意整理において、将来利息がカットできることがほとんどです。それを専門家の交渉の成果としてお金を取ろうなんて……
少なくとも私は絶対に勤めたくない事務所ですね。
将来利息カットの計算例
現時点の借入元金200万円、年利18%、60回(5年)払いで返済する場合(利息、損害金の延滞なし)
将来利息カット 元金200万円+利息0円
将来利息カットなし 元金200万円+利息約91万円
将来利息がカットされると、普通に返済した場合と比べて
利息分の約91万円がお得です。
この払わないで済んだ約91万円を専門家の成果として
その10%の約9万円を報酬として請求するのが、将来利息カット分の減額報酬請求の計算方法です。
将来の利息カット分減額報酬請求が全て悪なのか
ここまで書いておいてなんですが
私は、将来の利息カット分を減額報酬として請求することが、あらゆる場合において間違っているとは思っていません。(報酬ルールの解釈としてありかはさておき)例えば、将来の利息カットの交渉自体が難しいケースで、何とか交渉して勝ち取ったケースや、通常より長期の返済期間にできた場合は、その原則期間を超えた期間の利息については、交渉による成果として、減額報酬を請求して何ら問題ないと考えています。
一方で、任意整理相談の大多数を占める典型的なケース
- 大手の消費者金融の任意整理で!
- 交渉というかただの業務連絡レベルの話で!
- 電話一本で話がつくような!
- 返済実績と会社内規でサクッと条件が決まるような!
入所して1か月の事務員でもできるレベルの仕事の結果を!
俗にいう「減額報酬」とみなすことは、
その労力に比べて、甚だ暴利であり、専門家としての
倫理観、道徳観に欠くものだといえるでしょう。
減額報酬のミスリードに注意
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減額報酬はないけど、基本報酬が安いから、結局そっち(減額報酬がある事務所に)頼んだ方が得かもー、なんてのは全く持って詭弁、いかにも減額報酬が設定されている事務所の方が安いケースがある程度(3割、4割ぐらい?)あると誤解させるような書き方です。
実際のところは、減額報酬のある事務所に依頼してそっちの方が安く済むケースなんて、1%ぐらい?
そもそも、減額報酬のない事務所が、減額報酬のないだけで、他の名目でぼったくる事務所だったとか、そういう稀なケース以外は、普通に減額報酬のない事務所の方が安く済むに決まってます。(超主観、根拠なし)
要点
「そちらの料金表では、任意整理の将来利息カット分の減額金額は、減額報酬の算定に含めないですよね?」
と、依頼する予定の弁護士(司法書士)に聞きましょう。
任意整理で減額報酬10%と、ホームページに書いてある事務所なら絶対に聞きましょう。
ちなみに、濁したり、詳しくは面談してみないと分からないと言われたり、こちらの言ってることがよく伝わらないなら、その時点でその弁護士(司法書士)は切った方が良いです。
「通常頂いていませんが、お借入先との交渉難易度や成果に応じて、生じる場合もございます。」
「例えば、長期(5年を超える)の分割払いで、将来利息をカットできた場合、5年超分は頂戴しています。」
など、一般論では取っていないが、場合によっては発生するという回答があれば、OKです。(それでも、将来利息カット分の減額報酬はない事務所の方が断然良いですが、そこまで高額、超長期なら、任意整理じゃなくて自己破産した方が良い気がしますが、司法書士には分からない世界なので、言及を避けます。)
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